究極の襤褸

久し振りに胸躍る襤褸に出会えました!

『たっつけ』と呼ばれる、ズボンです。

主に農作業をするときに履いていたのでしょう。

上着も簡単な上っ張りを着ていたようです。

木綿が貴重な時代、過酷な作業でボロボロになっても

新しく買う事さえ出来ず、裏から端切れを当て細かく

刺し子をして繕っていました。

この『たっつけ』は、何度も修繕して全体に刺し子をしています。

元は藍染めの紺色の布だったのでしょうが、全体に色褪せて、刺し子糸が布に埋没しています。

この事から時代は江戸期の物だと察します・。

 

 

当時の日差し、吹き荒れる風に晒された布

貧しい農民の汗と涙の結晶...。

幾年を経て、自然が作り出した芸術です。

 

幸運にも私の手元に納まりました。

 

これから、ゆっくり再生しましてジャケットを作ろうと

考えています。

 

この布が生まれ変わり 皆様に御覧頂ける日を楽しみに

製作作業を始めます。