不染 鉄

この画家もNHKの「日曜美術館」での放送を見て知りました。1891年~1976年(享年84才)

戦後まもなく奈良に居を据えて、田中一村と同様に簡素な家で亡くなるまで過ごされました。

亡骸は生前の希望で奈良県立医大に献体されたそうです。

 

主人は若い頃、ちょうど回顧展が奈良県立美術館で開かれており観覧したと申しております。

 

テレビで放映された数日後、ご縁があり2点のリトグラフを手に入れる事が出来ました。

下の画像の一番右と、その隣のリトグラフです。

この頃、想う事ですが・・・

先日、明治150年展という展覧会を観てきました。

江戸末期から大正初期にかけて生み出された工芸品の傑作ばかりを鑑賞してきました。

パリ万博に出展する為に、日本の粋を結集して製作された物も多く、漆器、刺繍画、七宝等々、絢爛な物で「ほんまに、凄いとしか言いようが無い・・」目の保養をさせて頂きました。そんな中、私は一枚の写真にとても惹かれたのです。

京都の七宝工房で職人達が各人 小さな机を前に懸命に作業している姿です。

七宝焼は様々な工程を経て完成される物です。その作業はとても緻密で、私の所にも精緻な図柄の小さな花瓶等、数点所有しておりますが、手に取ってみると痛感致します。

 

写真の職人さん達の姿から、この人達はきっと随分安価な工賃で働いているかもしれないが、生活をするには充分で、もくもくと作業する姿は生活の糧ではあるけれど、皆様が自信に溢れた感じに受け取られました。

 

貧すれば鈍する という言葉がありますが、自分の中にきちんとした軸を持てれば、美しい貧の人生を送れる事を、一村や鉄さんから生まれた画を通して感じています。

 

PXGXFの洋服の展示会をパリやニュ-ヨ-クでしたい!とか

手短かに銀座かな?  等と思いを巡らしてきましたが

暫くは、あせらずにボロ布をチクチクしながらBOROア-トと言える洋服を製作してゆこうと思っています。

必ず、展開の道は開ける。襤褸の洋服を颯爽と着こなせる御人との出会いを楽しみにしながら。