チュノ(推奴)

以前BSのNHKで見た韓流ドラマが、先日から再放送されている。

韓流には珍しく24話完結なので、話のテンポが速い。

今まで、ご他聞に漏れず数多くの韓流ドラマを見てきましたが、私の中では断トツ一番の秀作だと思っている。

題名の「推奴」チュノは主の元から逃亡した奴婢を探し出す職業。

設定の1640年代の韓国では、人口の半分位が奴婢という、謂わば奴隷階級で、両班(貴族階級)は1割にも満たない、残りが平民という構成だったらしい。

数ある国の中でも、厳しい階級制度はありましたが、当時の朝鮮で生きる事は、どの階級の両親から生を受けるかで人生の道が定まってしまう!という状況だ。

主人公のテギルは元は両班の御曹司だったが、奴婢の放火で一家全員が亡くなり、一人生き残ってしまった。

そして、自ら選んでチュノという職業に就いたのだ。

その理由は幼い頃から、愛していた奴婢のヘウォンを探しだす為。

当時、様々な事情から自ら奴婢の身分になったり、罪状に依り奴婢になった人もあったらしい。

 

主人公のテギルを中心に王朝の裏事情・政府高官のもくろみ等々、様々な世情が織りなす人間模様がコンパクトに表現されている。

 

御興味のある方(お暇のある方)はネットで検索して下さいませ。

只今14話?位放送中です。(BS)

以前に視聴済なので、今回は冷静(笑・・)にゆっくり構えて楽しみながら相変わらずら落涙の連続で観ています。

先日、柴田錬三郎の人となりを紹介する番組の中で。

従軍戦時下、エリ-ト役人だった人間ほど、上級士官に様々な手をつかって保身に走っていた。その姿は醜い。

名も無い大工だった一兵卒は、同僚をかばい自ら名乗りでて死ぬほど厳しい拷問を受けていた。

「だから自分は世間でいう高学歴、高地位等ということのみでは人を信用しない、人間に最も大切なものは品格である。」という言葉が印象に残りました。

 

チュノを見ていると、しみじみ そうやな・・と感じます。

様々な登場人物がそれぞれに自分にとっての大義を持ち、生ききる姿。

最終回、テギルは思い人のヘウォンを助ける為に命を落とす。

テギルをお兄ちゃんと恋慕していた旅芸人の女性が歌う子守歌に包まれて。

 

登場人物の心模様を細やかに表現する映像と万感迫る歌唱力で切なく迫る音響。

さすがに2010年韓国内 視聴率37%以上 納得です。

 

とりとめのない年頭のブログとなりました。読んで下さり有難うございました。

 

追伸、テギルを含むほとんどの登場人物の衣装がボロボロで、私にとっては 目の保養?でした。